Regional Scrum Gathering Tokyo 2024 参加レポート

Regional Scrum Gathering Tokyo 2024 参加レポート

タクシーアプリ『GO』の決済基盤を開発している 菅原 です。
2024年1月10〜12日に開催された Regional Scrum Gathering Tokyo 2024 (RSGT2024) に会社のメンバーと参加してきました。

RSGTの写真

Regional Scrum Gathering Tokyo とは

スクラムを実践する人が集い垣根を超えて語り合う場」をコンセプトとしたイベントです。
今回が東京で13回目の開催。大人気のためチケットは瞬く間に売り切れに。
期間中は講演やワークショップ、コーチング・セッションなど連日おおいに賑わっていました。
X の #RSGT2024 や Discord 上でも活発に交流が繰り広げられています。

なぜ参加したのか

現在、タクシーアプリ『GO』を取り巻くビジネス環境は急速に移り変わっています。
プロジェクトやチーム体制がリアルタイムで変化する中 「どのようにスクラムを活用し、チーム力を高めれるか」という課題を感じていました。

そんな折、所属チームのスクラムマスターからお声がけいただき参加することに!
(森竹さん、ありがとうございました!)

以降では、自分にとって特にインパクトが大きかった講演やワークショップを3つご紹介したいと思います。

Dynamic Reteaming, The Art and Wisdom of Changing Teams

Dynamic Reteaming の著者 Heidi Helfand さんによる基調講演。
まさに参加のモチベーションや課題感とフィットした内容でした。

避けることのできないチームの変化。
その5つのパターンに対して、効果的にチームを再構成するための実践的ガイダンスです。

【基本的な5パターン】

  • One by One: 1人ずつの入退場
  • Grow and Split: チームの拡大と分割
  • Merging: チームの統合
  • Isolation: 隔離(機動的に動く別動隊)
  • Switching: チーム間の交換・異動

パターンごとに起こり得る問題、検討事項、有効な対策 等々。

チームでトライしてみたいと感じた活動をいくつかピックアップしてみました。

  • Market of Skills (スキルマップ)
  • Story of Our Team (チームの歴史・物語)
  • Larger Groups of Teams (チームを越境したコミュニティ)

個人的に、原書を読んだり、翻訳チームへの参加を申し込んだりしながら、より掘り下げて把握していこうと思います。

ジョーが語る、Teslaでの衝撃的な開発スピード

Tesla 等 でアジャイルコンサルティングの経験を持つ Joe Justice さんの講演です。
彼は スクラムマスター 結果につながるアジャイル・トレーニング・セミナー の著者でもあります。
Tesla や SpaceX 等、イーロン・マスクが率いる企業群の高速な開発を垣間見ることができました。
講演のタイトル通り、強烈な衝撃。終わった後は開いた口が塞がらない状態。

以下は講演のメモの抜粋です。

  • イーロン・マスクの企業は全て1000年ゴールを掲げてスタート
    • SpaceXの場合は「星の間に意識の光を広げよう(他惑星の植民地化)」
  • 1000年ゴールに紐づく主要KPI・子KPIの進捗を工場内の巨大なスクリーンにリアルタイム表示
    • SpaceXの場合「衛星軌道投入の重量あたりの費用」etc
  • Tesla では12時間以内にハードウェアの設計・製造・テストを一巡
    • 毎日、各モジュールの重量1g・使用電力1mW・製造コスト1セント改善
  • プロダクトもビジネスユニットもモジュール化し、並行で進めることで開発スピードを最大化
    • プロダクトのモジュールとビジネスユニットは 1対1
    • ビジネスユニットは独自の予算編成・エンジニアリング・調達・法務サポートを持つ
  • Tesla では、エンジニアが毎朝 KPIのスクリーンを見て、今日取り組むモジュールを選択
    • アサインするマネージャーは存在しない
  • SpaceX では69日間で 1000以上のハードウェアの変更

プロダクトオーナー、プロダクトマネージャー、スクラムマスター等が存在しないアジャイル開発。
リアルタイムにKPIを表示するボードが、プロジェクト管理や組織ヒエラルキーに取って代わり、フラットな組織を実現しているとのこと。
このスタイルを Joe さんがコンサルティングしながら、トヨタの次世代車両の開発に導入しているそうです。

我々もマイクロサービスのリリースを毎日のように行っていますが、ハードウェアで実現していることに衝撃を受けました。
Joe さんの書籍を読んだり、動画の視聴会を開催したりしながら、より深く理解していきたいと思います。

スキルをさらに活性化させる智慧、メタスキル体験ワークショップ

システム・コーチング のメタスキルのエッセンスを体験できるワークショップです。
講師は、秋元 利春さんと原口 唯さんのお二人。
秋元さんは SCRUMMASTER THE BOOK の共同翻訳もされています。

システム・コーチングとは
「複数人の人の関係性に対しておこなうコーチング (Organization & Relationship Systems Coaching)」とのこと。
ここでいうメタスキルとは、ハードスキル(理論・手法・ツール)とソフトスキル(対人関係スキルetc) を使いこなす上位スキルとのことです。

「関係性を育む場」で重要とされる以下のメタスキルの要素から、今回は4つをピックアップして体験しました。

  • 尊重(Respect):自分や相手を一人の人間として尊重し大切にする姿勢
  • 本気(Commitment):難しく感じることにも立ち向かっていく姿勢
  • 遊び心:楽しさ、くすっと笑える、ユーモアのある姿勢
  • 深層民主主義(Deep Democracy):無視されがちな小さな声・意見を拾い上げる姿勢 (声なき声、抑圧された声)
  • 思いやり・親密さ:相手への思いやりや親しみを感じさせる姿勢
  • 協働・パートナーシップ:力をあわせて物事に取り組む姿勢
  • 好奇心・気づき:その場に起きていることに興味関心を持って望む姿勢

場に質感を意図的に持ち込み、モードをチェンジする体験をしました。

会場の床がテープで区切られ、メタスキルの要素が書かれた紙が各エリアに置かれている状態でスタート。
各エリアをうろうろ歩き、要素の名前から受け取る質感・エネルギーを身体で感じるエクササイズ。
同じエリアに立ち止まったメンバーで、そのメタスキルを表す身体的な表現を擦り合わせて発表。
自分たちの体感や場の質感が変化するのを体験しました。

やはり身体知を文章では表現するのは難しいですね。
ぜひシステム・コーチングのワークショップを体験されることをオススメします。

家庭で「深層民主主義(Deep Democracy)」や「好奇心・気づき」を試してみたところ、夕食後の会話が増え、妻や子ども達とのコミュニケーションが深まりました。

チームでは、会社のミッションやバリューもメタスキルの要素として試していけたらと思っています。

最後に

その他 印象的だったことは、開催日前日のオンラインイベント(DAY 0)から当日につながる流れです。
初参加メンバーでも前夜祭?で知り合うことで、ホーム感を感じて当日参加することができました。

講師やスタッフをされた方々、会場や懇親会で交流させていただいた方々、 所属チームや会社の方々のお陰で貴重な体験ができました。

RSGT 2024 で得たものを、今後業務に活かしていこうと思います。本当にありがとうございました!