DRIVE CHART - AI運用技術まとめ

スマートドライビング事業部の森本です。AI技術の発信強化の一環として、過去に発信した記事や発表資料をテーマごとにまとめる取り組みを行っています。今回は次世代AIドラレコサービス『DRIVE CHART』での本番環境、実験環境、エッジデバイスでのAIに関連した運用技術全般について紹介します。

はじめに

次世代AIドラレコサービス『DRIVE CHART』は、街を縦横無尽に走行するタクシーや営業車、走行距離の長いトラックなど、プロの現場で多く採用される交通事故削減支援サービスです。現在契約車両は約5万台(2023年3月時点)と、関東・中京・京阪神エリアを中心に全国に広がっており、中でも、営業車を保有する企業様での導入が増加しています。コロナ禍による営業車の稼働減少に伴う自動車保険料の削減を踏まえ、アフターコロナに稼働が戻った際にも、現状の保険料をキープするために、事故削減に対して積極的なアプローチができる本サービスの導入を決定いただくというケースが増えています。

ドライブレコーダーから得られる各種データから、交通事故に繋がる可能性の高い危険シーンを自動検知し、運転傾向を分析する、AIとIoTを掛け合わせた交通事故削減支援サービスです。リアルタイム検知項目として、衝撃・車間距離警報・衝突警報・脇見警報・マニュアル録画、レポート検知項目として、脇見運転・車間距離不足・一時不停止・速度超過・急ハンドル・急加速・急減速・急後退を提供しています。

今回のまとめ記事では、DRIVE CHARTで使用されているAI運用技術について紹介します。

技術記事1:本番環境を支える運用技術

サーバーサイドにおけるAI運用技術には大きく分けて2種類あります。本番環境を支える運用技術と実験環境を支える運用技術です。本番環境を支える運用技術では2つのブログを紹介します。1つ目は「Amazon Managed Workflows for Apache Airflow」についてです。機械学習モデルを継続的に学習しているシステムがあります。学習パイプラインにAmazon Managed Workflows for Apache Airflowを使用していて、その全体像やTipsについて紹介します。

2つ目は、CPUによるAI推論の高速化についてです。GPUを使用せずにコスト最適化を図りつつ、CPU推論を高速化した内容を紹介します。

技術記事2:実験環境を支える運用技術

AI開発の大切なポイントの一つは、短期間で多数の実験を行い試行錯誤を積み重ねることです。多数の実験を行うためには、実験管理が重要になります。個々の実験の記録、実験の再現性の担保、過去の実験との比較など疎かにするとこれまでの実験が無駄になってしまいます。DRIVE CHARTではClearMLという実験管理ツールを導入し、日々の実験を支えています。

DRIVE CHARTではセンサーデータや動画など様々なデータを用いてリスク運転の検出を行います。そしてロジック開発では過去のリスク運転検知ロジックと新規ロジックの結果を比較しながら行います。そこでAIエンジニアが多様なデータに振り回されずに容易に新旧ロジックを比較できるシミュレーションツールが必要になります。DRIVE CHARTではKubeflow Pipelinesでシミュレーション環境を構築しています。Kubeflow Pipelinesの活用や遭遇した問題について紹介します。

技術記事3:エッジデバイスを支える運用技術

DRIVE CHARTの大きな特徴の一つがエッジデバイスからサーバーサイドまで一気通貫で開発運用していることです。エッジデバイス上でもAIのモデル推論を高速に行う必要があります。そのためにAIアクセラレータの比較検証した結果を紹介します。

また、Rust言語を活用した「MoT TechTalk #8 IoT/クラウドでRust言語をフル活用!AIドラレコの裏側を紹介」というイベントを実施しました。サーバーサイドからエッジデバイスで幅広く活用した事例紹介になります。

おわりに

本記事ではサーバーサイド視点での本番環境、実験環境の運用技術とエッジデバイス視点での運用技術の過去のブログやスライドについて紹介しました。これまでに執筆したブログなどのまとめ記事を様々な観点でキュレーションしています。これからのキュレーション記事にも注目してみてください!