RSGT2026に参加しました
バックオフィス基盤第2グループの名嘉眞です。
今年も去年に引き続き、Regional Scrum Gathering Tokyo 2026(以下RSGT2026) に参加しました。 去年もそうでしたが、今年も多くの学びや気づきがありました。私の視点で体験したことや感じたことを共有できればと思います。

RSGT2026とは
Regional Scrum Gathering Tokyo 2026は、スクラムやアジャイル開発に関連する国内最大級のカンファレンスです。 Gatheringとあるようにセッションを聴講するだけでなく、休憩時間や会場の廊下、懇親会など至るところでコミュニケーションが盛んに行われたり、OST(Open Space Technology)という参加者が主体的にテーマを出して議論する場があります。 これらのコミュニケーションがより学びや成長につながったり、社外の人のネットワーク形成に繋がることが魅力です。
参加のきっかけ
去年多くの学びや気づきがあったので今年も参加したいと思い、参加を決めました。 ちなみに去年の参加レポートは以下です。
またAI時代にチーム開発がどう変わっていくのかについても興味があり、AI関連のセッションも聴きたいと考えていました。
参加したセッションや出来事など
多くのセッションに参加したのですが、その中で特に印象に残ったセッションや出来事について書きたいと思います。
Day1
Bjarte Bogsnes - An introduction to Beyond Budgeting – Business agility in practice
Day1のKeynoteは脱予算経営についてと脱予算経営がどのような組織か、アジャイルと関連性を話されていました。
私の感想になりますが、脱予算経営は社員の自立性が重要な点や、目標設定、透明性を高くするなどプロセスの面、変化への適応という点がアジャイルの考え方と似ているのかなと思いました。
脱予算経営では以下のようなアプローチを取ると話されていたと思います。
- 社員のモチベーションや効率を上げるためのツールの導入や学習をある程度自由にする
- 情報の透明性を高くし、マネージャーや現場社員の自立的な意思決定を支援する
- 過去のデータに縛られすぎずに、市場の変化に合わせてリソース配分を柔軟に検討できるようにする
予算制度のある環境でも、これらの考え方は参考になるなと思いました。 状況の変化に応じて、最も効果的なポイントにリソースを集中したり、個人の自立性を高めるために情報の透明性を高くすることなどは、チームのマネジメントや開発プロセスにも活かせるのではないかと感じました。 また個人でもチームやロールの枠にとらわれすぎずに、変化に適応していくことが重要なのかなと思いました。
生成AI活用システムにおけるテストの実践〜テスト設計・分析を中心に〜
ちょうど所属しているチームで生成AIを活用するシステムを検討していたので、チームに戻ったらこのセッションのことを共有しようと思いました。特に以下のような実践内容を紹介していて学びになりました。
- ステークホルダーの利用事例のマッピングを作ってテストケースに落とし込んだ。これが実際のプロンプトに活用できた
- 出力の安定性と入力の多様性への耐性のどちらに重きを置くかでテストで利用するプロンプトを使い分けた
またスピーカーのaki.mさんとも去年に引き続き話すことができました。懇親会でAIを活用したチーム開発プロセスについて色々話せたりもして、こちらも学びになりました。
Day2
QAフローを最適化し、品質水準を満たしながらリリースまでの期間を最短化する
開発者の立場からQAフローを最適化し、リリースまでの期間を最短化したという話でした。 以下のような課題があったそうです。
- 作ったものが早くユーザに届けられない
- QAチームの負担が大きい
QAの目的を達成しつつ、課題を解決したいということで、2つある事業の1つはQAチームではなく開発チームでQAを完結させリリースまでのフローも最短化したそうです。
まず品質水準を決めるための事業理解、本当に守りたいコア価値を見極めることを行ったそうです。品質を追求しすぎるとQAのコストがどうしても増えてしまうので、本当に守りたい品質水準を見極めることを重視していました。
次に品質水準を守るための制約条件を考えたり、洗い出した後、品質水準・制約条件を満たすフローを設計したと話されていました。 テストケースはQAチームと一緒に決めて、2ヶ月間かけて徐々に開発チームでQAを完結できるように移行していたそうです。
結果的に、リリースまでの期間が約2週間から約6日に短縮できたとのことでした。 私の所属部署でもQAチームの負担増は課題としてあるので具体的な実践内容を聞けて学びになりました。
またスピーカーの方に「開発チームにQAフローを移行した時に開発チームから反対意見はなかったですか?」と質問できました。 なぜ移行するのかということを資料も作成し説明をしたこと、両チームに対して透明性を持って進めたと答えて頂きました。 異なるチーム間での協力が必要な場合、しっかりと説明したり透明性を持つことが重要だなと改めて思いました。
AI時代のアジャイルチームを目指して - "スクラム"というコンフォートゾーンからの脱却-
所属しているチームではスクラムを実施していないのですが、AI時代にチーム開発がどう変わっていくのかについて話されていて多くの気づきがあったセッションでした。
まず現在は第四次産業革命の真っ只中で、AIの登場によりソフトウェア開発の現場も大きく変化していて、個人の生産性が大きく向上しているが、組織の仕組みは変化があまりないということを話していました。
AIにより開発サイクルが短くなって、人間が求められるものも変化している状況で、チームの開発プロセスが変わっていかないと、それは組織がコンフォートゾーンにいるのかもしれないということでした。 人間に求められるものとしては以下のように話されていました。
- カバー領域を広げて意思決定の範囲を広げる
- AIが生成したアウトプットをレビューして品質を担保する
AI時代に適応するために、スクラムの枠組みにとらわれずに変化することが大切と話されていて、そのために以下のようなことを実践していると話されていました。
- 組織を大きなチームとして捉え、チームや個人の成長を支援する
- ロールを動的にする
- チームでモブプログラミング実施する
最後にまとめとして、AI時代の変化に疲れるのではなくて、変化を楽しむことが大切と話されていました。 特に印象に残ったのが、AI時代の変化を楽しむことが大切ということでした。チームにも共有してAIを活用した開発プロセスについて話したいと思います。
Day3
今年はOST(Open Space Technology)に初参加しました。 OSTは参加者自らが議題を提案し、関心のある人同士で対話を進めながら、理解を深めたり具体的なアクションを導き出す手法のことです。
自分からテーマ出しをするか迷ったのですが、OST開始前に隣にいる方と話す時間が設定されて、そこで私が出したいテーマについて相談したところ、関心のある人が多いかも知れないから良いと思うよとおっしゃっていいただけました。
出したテーマは、 「仕事・家庭・学習 どうサイクルを回している?」というテーマで、 私自身が仕事と家庭(土日に子供と過ごす)は充実しているが、業務外での学習やインプットの時間が少なくなっていて、昔より学習に対するモチベーションを維持できていないかもしれないと感じていたことがテーマにした理由です。 人が集まるか少し不安だったのですが最終的に10名程集まってくださいました。
共感してくださったり、具体的な手法をいろいろ提案してくださり、私としては話せてすごく良かったなという気持ちでした。 対話の中で出てきた意見としては、 仕事と家庭が充実しているなら、子供が大きくなるまではその時間を大切にして、子供が大きくなって自立したらまた学習やインプットの時間を増やしていけば良いのではないかという意見や、 業務でブログに書ける仕事を意識して取り組むことなどがありました。

最後に
他にも多くのセッションに参加したり、いろいろな方と話して多くの学びや気づきがありましたが印象に残ったことを書かせて頂きました。
AIの登場など変化の激しい時代に適応するために、組織やチームの在り方、開発プロセスも変化させていくことが大切なのかなと改めて感じまして、まずは自分自身が変化を楽しむことを意識していきたいと思います。
今年もRSGTに参加できて良かったです。また懇親会や廊下などでもいろいろな方と話せて楽しかったです。話してくれた方ありがとうございます。RSGTに参加することでたくさんの学びと元気も貰えて今年もやっていこうという気持ちになりました。
インプットしたことはチームに共有していき、チームでもGatheringしていきたいと思います。